いつもと違う夏の給湯器
夏になると、普段よりお湯の温度が「熱い」、お湯の量が「多い」と感じることはありませんか?これは給湯器の構造特性と、季節による水温の変化が関係しています。夏の給湯器、お湯の疑問にお答えします。
Q1,夏は冬よりお湯の量が多い?
答え:お湯の量はアップします。理由は「水温の違い」です。
給湯器は水を沸かして、お湯をつくっています。お湯を沸かす力が同じなら、水道水の温度が高い方がお湯の量も増えます。少し専門的な話になりますが、給湯能力は号数で表示します。「号数」とは、水温+25℃のお湯を1分間に何リットル出すことができるかを表しています。例えば「24号」の場合、水温+25℃のお湯を1分間に24リットル出すことができる能力となります。
給湯器から出るお湯の量は、【号数】×25÷(設定温度-水温)で算出します。
夏の場合/水温20℃
号数24号×25÷(設定温度40℃-水温20℃)=出湯量30リットル
お湯の量は1分間に30リットル
冬の場合/水温 5℃
号数24号×25÷(設定温度40℃-水温5℃)=出湯量17.1リットル
お湯の量は1分間に17.1リットル
Q2,夏、設定温度より高めのお湯が出ます。故障ですか?
答え:故障ではありません。
設定温度より高めのお湯が出るのは、夏に発生しやすい現象です。夏の暑い時期、リモコンの設定温度より高めのお湯が出ることがよくありますよね。ですが、これは故障が原因ではなく温度変化によるものなのです。故障していないか、以下の水栓をチェックすることで確認をして頂けます。
まずは水栓をチェック!水栓はいっぱいに開いていますか?
開いている場合:給湯器は、お湯の水栓を開け、水が流れると点火する構造になっています。水温が高い場合でも、最小能力で燃焼するため、リモコンの設定温度が低い場合は、設定温度以上のお湯が出ることがあります。夜間など水温が下がった時にお湯の温度が下がるか確認してみてください。もし、夜間でもお湯が熱い場合には、故障の可能性もあります。原因特定のため、ノーリツの修理・アフターサービスへご依頼ください。なお、水温が極端に高い場合(50℃以上)や、給湯器から出るお湯の温度がリモコンの設定温度よりかなり高くなる場合は、安全のため点火しないことがあります。
開いていない場合:水栓をいっぱいに開けてください。出湯量を増やすと設定温度に近づけることができます。出湯量を増やしても設定温度にならない場合は、水温が高くなる夏季に発生しやすい現象とも考えられます。
知っておこう!給湯器での注意点
故障を防ぐため、運転オフ時に水を出す場合は、水栓レバーは水側で!
給湯器の運転スイッチがオフの時に水を出す場合は、水栓のレバーは水側でお願いします。運転スイッチが「オフ」の状態でワンレバー式水栓を開閉すると、水側・お湯側のどちらでも水を出すことができます。しかし、お湯側で水を出した場合、給湯器内の熱交換器などの配管を通って、供給されることになります。このため水温と気温の差で結露が発生し、給湯器の寿命を縮める原因の一つになります。